先日の釣行ではルアーの結束を横着したばかりに、魚の口にルアーが付いたままリリースしてしまうという失態を犯した。
何が横着だったかというと、ハングマンズノットでルアーを直結し、結束強度の確認をしないまま釣ってしまったということだ。
ハングマンズノット自体は、フィールドでルアーの自重を利用して速く楽に結べ、なおかつ強度も申し分ない優れたノットである。
学生の頃、釣好きの友人に教えてもらった結び方なのだが、長らく名前を知らなかった。
それでもフィールドにおいてルアーを結ぶには最速、最楽の結び方であり、長らく愛用してきた。もちろん今でも愛用している。
偶然にも数年前にぱらぱらとめくっていた釣り雑誌にこのノットが紹介されており、めでたく名前が判明した次第である。
しかしそんなハングマンズノットにも欠点もある。
結束し、強度確認のために引っ張ると「なぜか簡単に切れてしまう」ことがあるのだ。
何度か結束し、引っ張ってみて強度に問題がない場合は、それこそ半日キャストを続けても切れることは無い。
なぜ切れてしまうのか、考察するために久しぶりに紐をいじくりまわし、ロープワークのお勉強をしてみた。
まずはハングマンズノットの手順である。
分かりずらい箇所にヘタクソな説明を入れてみた。
釣り糸を結んだことがある方なら分かってもらえると思うが、ユニノットなどのようにループの中に何度も釣り糸を通す手順って、手前から入れて、反対側に通して、反対側から手前に持ってきて、手前から入れて・・・を何度も繰り返すので、持ちかえたり引っ張ったり結構めんどくさいのだ。
フィールドでそれをやってると時間がかかるし、夏だと暑いし、冬だと寒くて手がかじかんでミスってラインが抜けてしまって最初からやり直しになったりした日には釣りのやる気も半減してしまうというもの。
このハングマンズノットはルアーの自重を使って振り子のように動かし、ラインを振り子にくるくるくると巻きつけるだけで良いので10秒ほどで結べるし、慣れればラインの位置さえ分かれば夜ライトが無くても結べるのだ。
では一体どこに負担がかかって切れるのか。
何度も細引きを結んで解いてみた結果、どうも引き締める際にぐるぐる5連の場所に強い摩擦がかかるからではないかという結論に達した。結束が完成した後ならば強い摩擦はほどけるのを防止してくれる役目を果たすが、引き締める最中に強い摩擦が発生するためにラインが摩擦で痛み、耐えきれず切れてしまうものと思われる。
ラインが捻じれておらず、なおかつ十分に濡れており引き締める際に摩擦が最小限に抑えられた場合、強い強度を持つノットになるのではなかろうか。
適当にぐるぐるではなくラインのねじれや重なる位置などにも気を配って結束するようにしてみようと思う。
どの結束でもそうなのだが、引き締める際には十分に濡らして摩擦を軽減してあげることはとても重要である。
また、結束後に強く引いてみて強度に問題が無いかの確認も怠ってはならない。
どんなに上手く結べても、ラインに傷が入っていたらいとも簡単に切れてしまうからだ。
今回の事は、まさにこれを怠ったからに他ならない。
また、結び目がきれいに仕上がっていない場合も結びなおすことをお勧めする。
見た目の話ではなく、結び目が美しくない場合は大抵手順が間違えているか、ねじれているかである。
これも切れる大きな要因である。
改めて考えてみると、手慣れた手順であるだけに雑になってしまっていたのかもしれないと反省させられた。
ラインブレイクを結びの種類やラインのせいにする前に、これを機に自分の手順を今一度見直してみようと思った。