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Posted by naturum at

狩布川のアメマスに癒される

8月28日
家族から午前中暇をもらい、北海道のネイティブトラウトと出会うべく車を走らせた。
目的地は上川郡愛別町狩布川、愛別ダムの上流にある渓流である。
日の出前に出発し、ちょうど日の出の時間に到着するように出発した。
愛別ダムとその支流では、以前はニジマスなどの放流が行われていたようだが現在では放流は行われておらず、漁業権も無いそうだ。
今ではアメマスくらいしか生息しないようなのだが、外来のニジマスが釣れるよりも在来のアメマスやオショロコマとの出会いの方が私としては嬉しい。
北海道ブルーリスト2010のサイトで確認すると、やはり狩布川ではニジマスの分布は確認されていないようである。

5時頃、現地へと到着した。
あらかじめ入ろうと考えていたポイントには先行者と思われる車が1台停まっていた。
広い川ではないので、さらに車を走らせ上流を目指すことにした。
GPSで確認しながら藪こぎで川までアプローチできそうな場所を探す。
藪こぎ200m程度で川まで出られそうな場所を見つけたので付近に車を止め、川を目指した。

余談だが、この付近は山親父(ヒグマ)の生息場所である。
数日前にも付近にヒグマが出没したらしく、道路脇には注意を促す看板が設置されていた。
野生生物との出会いは興奮するが、ヒグマとの出会いは少しばかり刺激的過ぎる。
なるべく出会わないように熊鈴をザックに付け、熊スプレー、いざというときのための鉈を装備する。
カラコロと熊鈴を鳴らしながら腰ほどの丈の草をかき分け、林を超えるとオオハンゴンソウが咲く草原が目前に広がった。



オオハンゴンソウもセイタカアワダチソウのようにすっかり日本の風景に馴染みつつある植物である。
無風の中、耳を澄ますと渓流のせせらぎが聞こえてくる。
音の聞こえる方向へ50mほど歩くと目的の狩布川が眼前に広がった。



この傾斜のなだらかな渓流は、これぞ北海道と言ったところか。
前日に雨が降ったにもかかわらず、水量は想像以上に少ない。
見渡すも魚が付きそうな好ポイントは意外と少なそうだ。
川に近付く前に、ちょっとした淵にMIU2.8g緑ヤマメ/金をキャストする。
着水後リトリーブを始めると間髪いれず明確なバイトがロッドを伝った。
ロッドをあおり、合わせを入れると思い切りドラグが鳴った。
流れを考慮していないドラグ設定が思いのほか緩すぎたせいで、ほとんど合わせが効かなかった軽い手ごたえである。
しかし竿には魚からの明確な振動が伝わってきており、幸運にもフッキングしてくれたようだ。
ドラグを締め、リールを巻いた刹那、ふっとテンションが抜けた。
バラしてしまったようだ。
やはりフッキングが浅かったか、ラインテンションが一瞬緩んだか。
いずれにしろセッティングはキャスト前にしっかり確認しておかなくてはならないと身をもって痛感したのであった。

転石の敷き詰められた渓流を遡上してゆくと、流れの緩やかな淵を発見した。
アップクロスにキャストするも上手く通せないので、魚に気付かれないように巻いて上流部へ移動し、ダウンクロスで流れの中をやや早巻きで泳がせると2投目でヒット。
今度はドラグ設定も完璧である。
渓魚の繊細でありながら大自然を生き抜くために培った筋肉の振動が細いラインを伝ってありありと感じられる。
水の流れの影響もあって、その引きは意外に強い。
バラさないように丁寧にランディングすると、それは20cm程の美しいアメマスであった。



その後もしばらくキャストを続けるものの魚からの反応が無かったので、さらに上流へと遡上する。
途中転石の中に化石のノジュールっぽいものの断面を発見した。
形状からしてアンモナイトかとも思ったが、よく見ると単に石を核としたノジュールであった。
周囲で化石が産出するという情報も聞いたことが無かったため、特に捜索せず上流を目指した。


茶色の〇がノジュールの断面 アンモナイトにそっくり



渓流のカーブに差し掛かる辺りではヒグマとの遭遇率が高くなる。
こちらからも向こうからもお互いの存在が確認できないため、カーブを抜けた先でいきなり鉢合わせとなることが多い。
慎重に様子を窺いながら遡上してゆく。
しばらく行くと、少し開けた河原に出た。
ここにも魚の付きそうな良いポイントがあったので、ダウンクロスでやや早めにリトリーブする。
1投目からコンッと明確なバイトが伝わる。流れに負けないようにすかさず強めの合わせでフッキングする。
繊細かつシャープな振動がロッドに伝わる。
上がってきたのは22~3cm程のアメマスであった。



ランディングしていると、頭上にひときわ大きな鳥が飛んでいた。
かなりの至近距離を旋回しているようだ。
よく管理釣り場で釣りをしていると、釣った魚を狙ってトビが近づいてくるが、こいつもそのような感じである。
トビか?と思い上を見ると想像していたよりもデカい!!
嘴は黄色で尾羽が白い、こいつはオジロワシである。
至近距離を旋回されるとかなりの迫力である。
3周旋回し、獲物を横取りできないと踏んだか上流方向へと飛んで行った。
トビのように魚を横取りしにオジロワシが飛んでくるなんてさすがは北海道、スケールが大きい。
砂や泥の上にはエゾジカのフィールドサインも残されており、生物相の豊かさを感じることができる。


エゾジカの足跡 ヒグマのものは見つからなかった


オジロワシとの突然の出会いに興奮しながらも、キャストを続ける。
しかしこのポイントでも2匹目がヒットしない。
おそらく個体数がそう多くなく、1か所に1匹縄張りを占有する形で付いているだけなのだと思われる。

さらに遡上を続け、カーブに形成された水量の多い落ち込みと淵を攻める。
ここまで遡上してくると河川の幅は明確に狭くなってきており、巻きで上流に回り込むことが困難になってきた。
仕方が無くアップクロスでキャストするも、2.8gのスプーンでは軽過ぎてうまくアクションさせることができない。
用意してきたスプーンは2.8gが中心でそれ以下のウェイトばかりであった。
失敗したなと思いながらもスプーンを眺めていると、3.5gのものが1つだけ入っていた。
色はショッキングピンク。
上流にキャストし、落ち込みに落とし中層付近をリトリーブ、手前のブレイクの縁にスプーンがコンタクトした瞬間、大きな魚が猛スピードでルアー脇を横切った。
尺上来た!?と思うも無念、アタリは無かった。
キャストを続けるも、それっきりそのポイントでは魚を見ることは無かった。
どうも落ち込みからのリトリーブでチェイスしており、石にスプーンが当った瞬間に見切られて逃げたと思われる。
ああ、ショッキングピンクで無ければ食っていたかもと思うと残念でならない。

さらに上流を目指すも川幅は狭まり、釣りやすいポイントもそれに伴い少なくなってきたので引き返すことに。
今まで釣ったポイントに再度スプーンを通すも反応は得られず。
やはり1か所1匹なのか?
それならば期待できるのは一番最初にバラしたポイントだ。
時間もかなり経過しているので、居れば警戒心も解けて反応してくるに違いない。
念のためバラしたスプーンと同じものは避け、同スプーン黒鮎/金にチェンジ。
先ほどと同様に上流からダウンクロスにキャストし淵の中層を通すようにリトリーブ。
すると、ココンッと明確なアタリが伝わる。
しっかりと合わせると、走り出し、ドラグが鳴る。
これは今までの個体より大きいに違いない!
ラインテンションを緩めないように慎重にファイトし、ランディングすると、25cmほどの綺麗なアメマスであった。



その後は下流も探索するも良いポイントを見つかられなかったため、10:30頃納竿とした。
澄んだ水の流れときれいな空気、美しい渓魚たち。
普段の疲れも癒され、程良い疲労感と開放感を得ることができた素晴らしい釣行であった。
渓流での釣り、これからも積極的にチャレンジしていきたいと思う。

また、今回の釣行でも感じたことなのだが圧倒的なまでの自然の中、岩を渡り、川を漕いでいると、ふとした瞬間に自分は自然という化け物に遊ばれている、そういう錯覚に陥る瞬間がある。
自然と一体化し、全身で感じる自然は清々しくもあるのだが、同時にヒトという生物の脆さ、儚さが剥き出しにされ、「お前など私の匙加減でどうにでもなる」と囁かれているようで畏怖の念のようなものを感じるのだ。
そんなときにゆっくりと目を閉じると、普段は欲に塗れた自分ではあるが、諦めるということ、諦念とはどういうことなのか、ちょっぴり分かるような気がするのである。






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Posted by アルマス at 20:08Comments(0)ネイティブトラウト釣り